【考察】TencentがB4B運営のTRSを買収!今後どうなる?

その他
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中国に本拠地を構えるTencent社がBack 4 Bloodの開発を手掛けるTurtle Rock Studiosを買収しました!

今回の買収は、アップデートによるユーザー離れに揺れるTRSにとって非常に大きな意味を持つ内容だと感じています。買収の事実に対して、筆者の想像が含まれていますので、読み物(妄想)としてご覧ください。

テンセント配下の発表

買収の内容は既に多くのゲームメディアでオープンになっていますので、ファミ通さんの記事をご参考ください。要約すると以下3点です。

  • 買収後もTurtle Rockは独立性を保つ。共同創設者であるフィル・ロブ氏とクリス・アシュトン氏によって運営されていく。
  • Turtle Rock Studiosは今後も『Back 4 Blood』の開発とサポートを継続し、長期的なAAA(超大作級)フランチャイズとしてさらに発展させていくことを目指す。
  • テンセントは中国国外のゲームスタジオの買収や出資を積極的に進めている。直近では多くのゲームスタジオを傘下に持つイギリスSumo Groupの買収や日本でもWake Up Interactiveを傘下に収めている。

 

本件の考察・今後の予想

TRSの今後を予想する上で、まずはTRSの歴史を振り返り、今後を予想していきたいと思います。

Turtle Rock Studiosの歴史

Turtle Rock Studios(以降TRSと記載)は、もともと2002年に設立された小さなゲーム開発企業で、当初はCounter-Strikeシリーズの開発に携わり、Valve Software(以降Valveと記載)から高い評価を得ていた企業でした。6名程度の小さな企業だったこともあり、スピーディなコミュニケーションが取れることに定評がありました。

仕事の出来に満足したValveは、TRSの買収を決定します。2008年にTRSはValve South社としてValve傘下に入ることになりました。そして2008年11月、後の歴史に名を刻むゾンビゲームとなるLeft 4 Deadをリリースしました。

Valve社の買収と決別

しかし、そこから2年の歳月が流れた2010年に両社は決別の道を選ぶことになります。

TRSは、大企業であるValveと物理的な距離が離れており、コミュニケーションが難しいこと、プロジェクトの進行が遅いことに不満を持っていました。また、ValveはAAAタイトル(大規模なゲームタイトル)の運営をTRSに任せることが難しいと感じた経緯がありました。

その後も、両社は良好な関係を維持し、Valveが主体として開発していたL4D2やCSGOといったタイトルにTRSも関与していたようです。(最近は関わっていないようです)

B4Bのリリースと波乱のスタート

そして時は流れ2021年、TRSはついにL4Dシリーズの精神的続編となるBack 4 Bloodをリリースします。

B4Bは当初、2021年6月のリリースが予定されていましたが、2021年10月に後ろ倒しとなり、かつ、その後のアップデートで多くのバグや意図しない仕様が発覚するなど波乱のスタートなりました。小さなゲーム開発企業としては、多くのリソースが必要となる状況だったと思います。

Tencent社との提携発表

そして、今回の買収が発表されました。Tencent社は中国に本拠地を持ち、多くのゲーム開発企業を傘下に収める超巨大プラットフォーマーです。大企業の資金面・人材面でのサポートはTRSにとって大きなフォローになることは間違いありません。

過去にValveと開発方針に違いによって決別していますから、今回は、TRSの独立性を維持することを条件に買収に合意したものと思われます。一方で、テンセント側の目論見を想像すると、「今のB4Bを助けてあげるから、数年後に発表したい何らかのCoopタイトルを一緒に作って欲しい」的な打診なのではないかと個人的には予想します。

RedditにてB4B運営チームのstockphotosteve氏は、100%の独立を維持したままゲームサイズ(規模)を維持することは困難と述べており、今回の買収はB4Bリリース前には決定していたものと思われます。(M&Aには最低でも半年、長いと数年以上も検証を重ねて行うケースがほとんどです)
It’s incredibly hard to make games the size and scope that we do while remaining 100% independent.

今後のB4Bがどう変化するか?

TRSの独立性は維持するという方針を踏まえて、今後のB4Bがどのように変化しうるかを予想したいと思います。(筆者の希望でもある)

1.グラフィック・モデリングの改善

B4Bは、L4Dシリーズで用いていたSource Engineから鞍替えし、Unreal Engineで開発されています。UEを開発するEpic GamesはTencent社との資本関係(40%)があり、今回のB4B開発に際して何らかの関係があったことが伺えます。

全体的にキャラクターの挙動やグラフィック面での不具合は少ないことを鑑みると、既になんらかのサポートを受けている可能性がありますが、グラフィックやモデリングのアドバイザリーに関与していくことが想定できます。

2.ユーザーコミュニケーションの改善

B4Bは、前述した通りAAAタイトルをハンドリングできる企業としての体力が未熟で、特に、ユーザーに対するマーケティング機能は脆弱です。(手が回っていないという表現のほうが正しいか…)

この点は、LoLやVarolantを手掛けるRiot Gamesなど、ユーザーフィードバックに定評のある企業のノウハウが役立てられることが理想です。コミュニティチームやマーケティングチームへの人材出向などが実現されることがあれば、より良いゲームへ進化するスピードが高まるでしょう。

3.人材採用の追い風によるリソース改善

B4Bは、ゲーム内で複雑に分岐するAIディレクターやカードシステムによる戦略性の高さが特徴のゲームです。ゲームリリース当初の混乱を鑑みると、ゲームの設計、開発、QA(製品テスト)チームの拡充は必要不可欠です。

特にバランス調整などの不具合が多かったことから類推すると、QAエンジニア(ゲームのテスト・バランス調整・バグ確認を行う品質担保のエンジニア)は機能不全と言わざるを得ない状況です。昨今、SaaSサービスの台頭によりQAエンジニアの給与単価は年々高まっていますので、人材の調達難易度も跳ね上がっています。

今回のテンセント傘下入りによって、人材採用は確実に追い風です。良い人材が入社し、良いゲームを作ってくれることを祈りましょう。
※テンセント傘下のTRS!みたいなアピールができるようになりますw


 

nyoki
nyoki

個人的には資本力のある企業が後押ししてくれることに賛成です!
Redditでは米国在住が多いこともあり、中国資本になることに対する抵抗コメントが多く発生していましたw

Back 4 Blood Japanコミュニティ@B4B_JP

コメント

  1. 名無しのクリーナーさん より:

    共産党が中国内のゲーム関連を強烈に締め上げてるから、海外のゲーム会社買って資産を海外に移そうという試み

  2. 名無しのクリーナーさん より:

    良いほうに転がってほしいね
    これでb4bがより良くなってくれたら最高なんだがどうなるかな

  3. 名無しのクリーナーさん より:

    中国名のプレイヤーとよくマッチするから、あっちでも人気なんだろね

  4. 名無しのクリーナーさん より:

    中共の動きがヤバイからな…
    上手くいってくれ

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